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- 手・手首の痛み
考えられる疾患
椎間板ヘルニア(頚椎椎間板ヘルニア)
椎間板ヘルニアは、骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板が、正常な位置から飛び出してしまう疾患です。飛び出した椎間板が脊髄や神経を圧迫することで、部位に応じた様々な症状を引き起こします。
これが頚部(首)で起こったものを「頚椎椎間板ヘルニア」と言い、首・肩・腕の痛みや痺れなどを生じさせます。細かい手作業がしにくくなったり、手に力が入らなくなったりするほか、重症化すると下半身まで症状が及ぶこともあります。
主な原因
- 加齢による椎間板の変性
- 日常の動作や姿勢、激しいスポーツによる椎間板の圧迫 など
腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)
腱鞘炎は、筋肉と骨をつなぐ腱を覆う「腱鞘」に炎症が起きた状態です。手首や指に起こりやすく、炎症が起きている部分を動かすと痛みや動かしにくさなどを感じます。手に起こる腱鞘炎には「ばね指」や「ドケルバン病」などがあり、どちらも手指の酷使が原因で起こります。
なお、ドケルバン病は更年期以降の女性や、妊娠・出産期の女性にも起こりやすく、発症に女性ホルモンが影響していると考えられています。
主な原因
- 酷使による負荷の蓄積
- 長時間のデスクワークやスマホ操作
- 女性ホルモンの影響 など
胸郭出口症候群
首と胸の間にある、筋肉と鎖骨や肋骨により構成される通路(胸郭出口)を通る神経や血管が圧迫されることで起こる症状です。首・肩・手の痺れやピリピリとした感覚、刺すような痛みなどが出ます。特に腕を上げる動作時(吊革に掴まる、高いところに手を伸ばすなど)に症状が現れます。
日常的な手への負担や姿勢などが発症に影響し、重い物を運ぶことが多い方やなで肩の女性によく見られる疾患です。
主な原因
- 重い物の運搬
- 日常的な不良姿勢
- 第1肋骨、鎖骨、肩甲骨、斜角筋の形態異常 など
手根管症候群
手根管という手根骨と靱帯によって形成されるトンネルに指を屈曲する腱と神経が通っています。何らかの理由でこの中の神経が圧迫されることで、手に様々な症状が起こる疾患を「手根管症候群」と言います。親指、人差し指、中指、薬指にかけての痛みや痺れが主な症状で、夜間・早朝・起床時や手を使った後に症状が強くなる傾向があります。
親指の動きが悪くなることがあり、ボタンかけなど小さなものをつまむ動作などがうまくできなくなることがあります。妊娠・出産期や更年期の女性に多く見られます。
主な原因
- 外傷や加齢による骨の変形
- 手根管内のスペースを狭めるできもの
- 手根管内の腱鞘炎(炎症をきたす要因として、痛風、リウマチ、長期透析など) など
※スポーツや仕事での手の酷使、怪我、透析などの影響が考えられています
関節リウマチ
関節リウマチは滑膜が炎症、増殖をきたした状態です。この状態が慢性化すると炎症が関節周囲の組織や軟骨、骨まで広がり、痛みやこわばり、関節の不安定化によって日常生活に支障を来すようになります。
関節周辺から症状が始まりますが、全身性の疾患であるため貧血や腎機能障害、倦怠感を伴うこともあります。長く放置すると関節破壊が進行するため、早期発見・早期治療が大切です。
主な原因
- 免疫の異常であり、喫煙、細菌やウイルス感染、ストレス、妊娠、外傷などをきっかけに発症することもある
- 遺伝の関連も全くないわけではないものの、高率で血縁者に関節リウマチの方がいる、ということは無い