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- 脊柱管狭窄症(頚椎・腰椎)
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管は、背骨を構成する椎骨や黄色靭帯、椎間板などに囲まれたスペースの内側にある、脊髄の神経が通っているトンネルのことです。脊柱管狭窄症は、何らかの理由でこのトンネルや椎間孔が狭くなって神経が圧迫されることで発症します。
中高年に多く見られ、高齢者の10人に1人ほどの割合で発症し、日本国内では数百万人程度の罹患者がいると言われています。
脊柱管狭窄症の種類
脊柱管狭窄症は、神経が圧迫される場所によって主に3つに分類されています。症状は圧迫される場所によって異なります。
- 馬尾型…脊柱管の中央部が圧迫されて起こります。
- 神経根型…脊柱管を通る神経が枝分かれする神経根が圧迫されて起こります。
- 混合型…馬尾型と神経根型が合併して起こります。
脊柱管狭窄症の主な症状
- 歩くと痺れや痛みを感じる。しかし自転車だと痛みが無い
- 痛みを感じても、前傾姿勢や座るなどで休むとまた歩けるようになる(間欠跛行)
- お尻や脚が痺れる
- 階段が上がり下がりしにくい
- 足の温度に左右差がある
- 頚椎が原因の場合、手のしびれがある
- 箸を持ちづらい、字を書きづらい
- 細かい作業がやりづらい など
脊柱管狭窄症の原因
黄色靭帯が厚くなったり、椎間板や椎骨の変性により変形をきたして神経を圧迫することが原因として多いです。これらの変化は加齢によって起こる自然なものでもありますが、脊柱管を通る神経が圧迫されることで痛み、痺れなどの症状が起こります。ひどくなると日常生活に支障を来す場合があります。
加齢のほか、圧迫骨折などの外傷後、重いものを持つ機会が多い仕事をしている、背骨に負担がかかりやすい姿勢になることが多いといった仕事などの影響、喫煙や肥満など生活習慣も原因となります。
脊柱管狭窄症の検査
問診・視診
いつ・どのような状況で痛みが起きるか、どこが痛むかといった情報を問診で確認し、身体所見を診ます。さらに、筋力の低下の程度や症状の左右差、感覚障害、腱反射などの神経学的な所見も確認します。
画像検査
レントゲンやCT、MRIで骨や神経の状態を確認します。レントゲンでは、背骨全体の並び方や変形の有無を調べます。CTは狭窄が起きている場所の骨の形状の把握に有用です。特にMRIは神経や椎間板まで撮影可能で、炎症が生じている部分や脊柱管狭窄の程度を確認するには最も向いています。
脊柱管狭窄症と似た症状の疾患には、糖尿病が原因の神経障害や閉塞性動脈硬化症があります。問診や各種検査によって、よりそれらの疾患が疑わしくないか、などを確認します。
※検査内容によっては他医療機関へのご紹介となります。
脊柱管狭窄症の治療
痛みを抑えるための薬物療法やリハビリなどの保存療法から始めて、症状が改善しない場合は手術療法が検討されます。
神経ブロック
局所麻酔薬やステロイドを患部に注射し、痛みやしびれなどが神経を伝わるのを防ぎます。
薬物療法
痛みの緩和のため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬などを使って治療します。
理学療法
痛みがある程度治まってきたら、筋力アップのトレーニングや牽引などの理学療法を行い、痛みの緩和や再発防止をはかります。
渋谷区千駄ヶ谷のせんだがや整形外科リハビリクリニックには理学療法士が在籍しており、その方の状態に最適なリハビリを提案して症状を改善いたします。
手術療法
上記の保存療法でも症状が改善しない場合には、手術療法を検討します。
手術には脊柱管を広げて神経を圧迫している靭帯や骨を切除する除圧術(椎弓切除、椎弓形成術など)、脊椎の椎体同士を金属のスクリューやロッド、椎体間ケージで固定する除圧固定術などがあります。また近年は内視鏡を用いた手術も行われるようになっており、既往歴や病態に応じて適切な術式が選択されます。
脊柱管狭窄症の予防
背骨や腰に負担がかからないよう、日常生活の姿勢や動作に注意しましょう。また体を支える筋肉を鍛えるのも効果的ですが、痛みが残っている場合は無理な運動は控えましょう。
- 背骨の負担を減らすよう、前かがみで重いものを持たない
- 腰をそらす姿勢を避ける
- 股関節や肩甲骨など、背骨に近い部分も動かすようにする
- 背筋、腹筋をトレーニングする(上体を大きく反らす、曲げる運動は避けましょう)
- ストレッチして背筋、腹筋、四肢の柔軟性を保つ など